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キリバン絵別案。
夜の王子、黒兎に会いに行く。
案としてはどちらかというと仕上げた方が一案なんですが、下絵はこっちのが先にあがってました。
「おや、王子様。何でこんなところに?」
黒兎は黒い兎の頭。黒い襟ぐりの広い、緩い服を着ていた。
「僕は夜の王子だから、兎と仲良くなるといいって。聞いた」
王子は黒兎の体にひっついて言った。
「……王子様。仲良くするなら白兎にするといい。アイツは真面目な奴だ。
私はあまり良い兎と思われていない。
私と貴方が仲良くするのはお城の人は嫌がるのでは無いかな。」
黒兎は王子の眼を見て言った。
赤い眼で見つめて言った。
「白兎さんとはもうお友達だよ。
白兎さんが貴方と仲良くなるといいって言ったんだ。
兎さんは「けんじゃ」なんだって。それで、寂しいんだって」
黒兎は感嘆の息を吐いた。
この王子は白兎と友達だと言う。白兎が自分を紹介したという。
兎は賢者だ。
知識を持ち王を助ける。
しかし気に入ったらの話だ。
白兎は真面目で社交的であるから、大抵は適当に知恵を貸しているが。
はぐれの黒兎である私はもう何年も前から王と馬が合わず、王宮からは離れた生活をしていた。
その自分を白兎が紹介したと。
この王子は白兎に認められていると。
膝に上り胸にすがり付いてくる小さな王子に向かって、私は言った。
「王子様。では私は貴方の言うことは何でも聞くことにしますよ。
私に何をして欲しいですか」
王子は私の顔を見上げて言った。
「肩車をして。あの星が近くに見えるように。」
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