薄明るい道を歩く
標準時間で午前6時
正方形に遠くまでトンネル状に通るこの道も何故か朝日の気配で明るい
空はどっちだっけ?
わからなかった
――ファン
高い音が鳴って、四隅に等間隔で埋め込まれたランプが赤く付いた
僕は道の端に避ける
――ゴゥッ
風が鳴って、共同電車が道の中央を一瞬で抜けて走っていった
遅れた風にコートがなびく
おっと帽子が
おさえて
コートの裾を払った
歩きだす
そろそろ、仕事に行こうか。
片耳に入れた小型ラジオからは音楽と交互に声
――ラビ・R‐003・今は西向きだ
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