ことりは
「ほんとに、どうしたら、どうしたら、いいのだろう」
と、おもいなやんでいいました。
きつねは
「わたしもまた、あなたのおもうことにおもうところがあります。
だからわたしは、あなたをたべるか、たべないか、どちらかをえらぶでしょう。」
とおりかかったとかげが、ちいさくいいました。
「なんておろかしくてとうといことだろう。
でもまったくくるしいことだ。」
おおきなおおきなうしがえるが、ひくくいいました。
「いちばんうつくしいものをえらびなさい。
それがいちばんよいわけではけしてないが、
ただやはりうつくしいものをえらびなさい。」
ことりはないて、きつねはことりをたべました。
そしてきつねはなみだをながし、そのしずくをとかげとうしがえるはひとつぶずつうけました。
それはとてもうつくしいことでした。
「このもりにしずけさがありますことを、アーメン」
とかげはそういうと、このはのかげにかくれてしまいました。
「わたしははじめて、ことりになったのでしょう。
なんともかなしいが、とてもとてもまんぞくだ。」
きつねもこかげにきえました。
うしがえるはひくくないています。
ひくくひくくないて、いつまでもうごきませんでした。
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