過去と現在は同時にそこに存在しておりました。
未来が同時に存在していませんでしたので、それはとても自然なことでした。
ただ、現在はどうしても他人に届く前に過去になりました。
でもその現在のような過去はとてもとても純粋にそこに落ち着いているのでした。
take1 end
ボクはボクの字を愛せませんでした。
よって手紙は残さない。
take2 end
今日の夜空はとても広い。
ついに飛び立つときが来た。
どこへでもゆける。
まずは海の向こう。あたたかい自分の家にいって、
妻のつくったスープを飲んで。娘の頭をなでよう。
そして、また海をわたり、古い友人の家へいって。
彼と彼の奥さんと(奥さんも友人と同じく学生時代の級友だ)
昔の話をしよう。懐かしい話を。
そして朝日の頃に真っ直ぐに太陽に飛ぶ。
白い光を存分に受けて。
いずれ自分の望んだ場所に着く。
take3 end
きつねはある日言いました。
「あぁしっぱいした、しっぱいした
ほんとうはもっととってもすばらしいことだったはずなのに。
とってもしっぱいしてしまった。」
あくまが来てきつねに言いました。
「いったいぜんたい、なにをしっぱいしたというのだい」
きつねはあくまにおどいてぴょんと跳ねました。
「ああ、ああびっくりした!あくまだ。あくまだ。」
あくまは少しむずがりました。
「いったいぜんたい、なにをしっぱいしたというのだい」
きつねはつんと、はな先を空に向けました。
「あくまになんて、はなしても仕方がないこと」
あくまはいっしゅん、ぜんしんの毛を立てました。
きつねは「ぎゃっ」と言いました。
しかしそこであくまは毛をおろし、せなかを丸めました。
「そうだね、そうだね、はなしても仕方がないね。
向こうの方へ、ゆきなさい。
むらさきの木の実がある。とってもおいしい木の実だ。
とってもすばらしいおいしい木の実だ。」
そういってあくまは去ってゆきました。
きつねはこんどは円をえがくようにぴょんと跳ねました。
「あぁ、またしっぱいしてしまった。
ほんとうはもっととってもすばらしいことだったはずなのに。
とってもしっぱいしてしまった。」
きつねはもういちど跳ねると、あくまの指したほうへ走ってゆきました。
take4 end
とくに関係のない文たち。
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