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ついった
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「今年もやってきましたハロウィーン。
 今年はライブでお菓子配ります、カボチャ型のかわうーいキャンディーと、甘いものダメな人のためにお煎餅。
 海苔で顔が書いてある海苔煎餅と、顔がくり抜いてある普通の醤油煎餅が、二枚一組になってます。
 包装にはevangelineのロゴ広告入り。バンド名と我らがレコ会社の名前も入ってますけどね。
 ライブの衣装もいっつもどうりevangeline。まだ完成してないそうです。
 えー以上、兄貴からの報告。終わり!」
番弥はサクサクと一枚の紙の内容を読み上げるとバーンとテーブルにたたきつけ。
「さぁカボチャとの因縁も克服しつつある今日。
 つくるぜカボチャランターーーーーン!!!!」
一通り叫ぶとくるっと部屋を駆け出て作業場になってるリビングへ走り行く。のだった。
ルルは「買出しにいってきます」と笑顔で何だか朝から居ない。
オレンジのワンピに黒い上着が目を引いた。
ハルナも今日はウチに来ない。多分ルルと一緒だ。
「なんでこうも毎年ハロウィンではしゃげるんだ?」
草明はボソボソと顔をしかめて呟いた。
全也は座ったまま煙草の煙を吐き出す。
「・・・日本人はお祭り好きだからだろ」
灰皿で火を消した。
「俺も日本人だ」
立ち上がる。
草明はヤな顔をした。
「オマエが言うとなんか…いや…うーん」
全也は部屋を出て行く。向かう先はリビングだ。
草明も結局後ろに続く。
前の年は全也が泣く子も黙る怖カボチャランタンを生み出し、番弥はカボチャを切り損ねてリビングの床にナイフを突き刺した。
守らねば。
何かを。
平和なリビングとかを。
だ。

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