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ついった
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電車が止まる。
文庫本片手に立ち上がり、階段へと歩く。
「くだらぬ」
呟いた。
紺のプリーツスカート。長い足、歩いて。
―くだらない?じゃあ君は何を望む?
「叶えてくれるのかいマイ神さま。」
頭の中で呟く。
改札を出る。乗り換える。
―願い事はなんだい?
「世界は退屈だ神様。面倒ばかりだ。そして淋しいんだ。でもそうだね、私は望むよ。世界中の人々が幸せになりますように、と」
―世界平和?
「人の世界のね。」
―ふぅん、じゃあ頑張ってね。
「やっぱり叶えないんだ。」
―ムリでしょ。
「まぁいいけどね」
やってきた電車に乗る。
空いた車内、席に座り文庫本に目を落とす。
「・・・くだらぬ。」
ため息に乗せて吐く。
紙の上の文字の羅列。明るい車内。
「サボってしまおうか。」
―学校を?だったら何でここまで来たの。
「惰性に流されているのだよ。それを含めてくだらぬ。」
―まぁ学校は行った方がいいけどね。
「まぁね。」
止まる電車。降りる。
階段へ向かい上る。
改札抜けて、駐輪場へ。
「慣らされてるなぁ・・・」
―楽でしょ。
「まぁね。」
自転車の鍵を開けて。乗って。走る。
風に髪が動く。
「結構幸せなんだろうけどね。」
―頑張りなよ。
強くペダルを踏む。走る。
坂を登って降りる。
「オーケーマイ神サマ。」
走る。
走る。

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