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ついった
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君は簡単に望むさ 僕は知っている
消えた火 冷たい風 吹いて
そう 君は目を閉じて言うんだ
ほら星空が見えるよ
よかったね 綺麗だね
幸せでいたいね
ほら君はまた ほら君はまた

 
「なんでそんな詞ばっか書くのよ。何か悲しい過去でも?」
リビングでカリカリとルーズリーフに文字を書いては撒き散らす灰髪の男に、
俺はそう話し掛けた。
話し掛けないと、あんまりにもしゃべらないし。
「オマエよりはありそうだな。」
テーブルの向かいに座ったロン毛女顔…角田がそう答えた。
「テメェに聞いてねぇ。」
テーブルの周りにも散り渡るルーズリーフを拾う。
何か、全部似たような…
「…全也さん…これって全部…」
「…同じことだ。そんな、カンジで曲を書くが…」
全也さんは俺をぐっと見上げて言った。
「いいか?」
俺はもう一度ルーズリーフに目を落とした。
「アンタ、曲書けるの?」
角田がそう聞いた。
「あんまり経験無いが…。筋くらい作れた方がいいだろ?」
全也さんはそう答えた。
「歌詞から作るのか?…メロディからじゃなく?」
俺はそう聞いた。
「メロディを考えるための、イメージが、これだ。」
全也さんはそう答えた。
こないだリーダーに任命されたこの男は、
もしかして凄い傑物だったのではと、思ったり
「うん。ひとまず、作れるなら、作れば」
俺はひとまずそれだけ言った。

コピーだけじゃない俺らのバンドが
できるんだ。
やっと出てきた現実味に
俺は少し戦慄したんだ。

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