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ついった
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公園の階段の上の手すりに肘をかけて、
二人がいるのをミノリは見た。
見上げる位置で、逆光だったから、腕をかざして。
二人の笑い声がする。黒い猫を抱え上げていた。
途端、タクが猫を落とした。
そこから下の地面まではかなり高さがある。二階の窓から落とした感じだ。
猫はくるりと身を翻して足から降りてコンクリートの上を音を立てて駆けて逃げていった。
二人の笑い声が聞こえた。
呆然とミノリは見上げた。
そして言った。
「バッカァ!危ないじゃん!!」
ケンイチがミノリに気づいて手を振る。
「あぁミノリだ」
「ミノリ何してんのー?」
「バカ!」
ミノリは階段を駆け上がる。
笑ってる二人のところまで行った。
「アンタ達猫殺し!?」
二人は目を丸くした。
「猫、死んでないよ」
「だって落としたじゃん。危ないよ。怪我するかもしれないし。」
タクが言う。
「怪我もしてなかったでしょ?」
「ダメだよ落しちゃ!」
ケンイチがちょっと申し訳なさそうな顔をして言った。
「ミノリ、俺達はさ、猫が高いところから落ちても平気だってわかっててやったんだ。」
ミノリが少し首をかしげて黙った。
タクが言葉を繋げた。
「ちょっと見てみたかったからさ。で、やっぱり平気だったし。」
「でもさぁ、」
ミノリは眉を寄せて難しそうに言った。
「何がだかよくわかんないけど、やっぱりダメだよぉ…」
二人は少し黙った。
「うん。ゴメンナサイ。」
「ゴメンナサイ。」
ミノリは口を結んでから言った。
「私もゴメンね。」

 
ねぇ何で僕らはこんなに不器用な生き方をしているの?
無様に見えないかな。
みんなも同じような生き方、しているのかなぁ。

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