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ついった
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「全ちゃんつまんなそうだね、俺の楽しい話聞く?」
番弥はそういって魔法使いのように両手を広げた。
その間には本当に何かが生まれんばかりで。
全也はソファで新聞を読んでた全也が眼鏡をはずして目をあげた。
「むかぁしむかし、あるところにハンプティダンプティという丸くて手足の短い卵男がいました」
全也は眉を寄せた。
「塀から落ちる?」
番弥はニヤリと笑った。
「ハンプティダンプティは自分が脆いことを知ってたのさ。自分の不安定さも。
だから彼はパックに入った。」
「パック?」
「あれ、卵売ってるときのプラスチックのパック。あれに入った」
「一人で?」
「そこはつっこまないの!」
番弥はわざとらしく咳払いをした。
そして大きく落胆の調子を作って言った。
「おぉでも悲しいかなハンプティダンプティ、
 あのプラスチックのパックね、あれ結構中身割れやすいんだ」
全也はそこでもう一度眉を寄せた。
「それで」
「ん?」
「それでどうなったんだ?」
「どうなったと思う?」
番弥はニッと笑顔で首をかしげた。
全也はぼそっと言った。
「あのパックってタマゴ同士がぶつかって割れるのを防ぐ程度じゃないのか?」
「あぁ」
ふいっと笑顔を逸らした。
「うん、そっかそうだよねぇ。
 いやさすがに塀から落としたわけじゃないぜ?チャリンコで買出し行っただけよ?」
もごもごいいながら番弥は立ち上がって台所に歩いていった。
戻ってきた手にはオムレツ。
「馬も兵士も元に戻せないっつーわけで作り変えてみたというお話。
 めでたしめでたし。
 どう?」
口調とは裏腹に神妙な表情で顔をうかがうので。
全也は少し笑った。
「お気に召したようで」
番弥は肩をすくめてみせた。
全也はフォークでオムレツをつつく。
しめじとベーコンが入っていた。
「…タマゴ二個分かな…」
モグモグと食べながら全也は呟く。
置かれた新聞に手をのばしていた番弥は小さい声で言った。
「ゴメンね、1パック8個入り全滅です」
全也は無言でオムレツを食べていた。
美味しいな、と思った。
 

 
チャリでの買出しの恐ろしさは一人暮らしを始めてから知りました。
油断すると割れるぜタマゴ。
最近割らないけど。
授業中先生の話が聞こえなくてつまらないので半分打った
「全也」は「ぜんや」、「番弥」は「つぐみ」って読みます。
文書くの下手になったなぁと思った。
ところで雪印のコーヒー牛乳ゴッツイ甘いね(関係ない

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